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2024/3/3

 普通のMADのタイトルが【ブロリー×千本桜】みたいに異常に律儀な付け方されてた時代ってあれはあれですごい嬉しかったな……。


 普通に暮らしてたら親がつけてるニュース番組から、一般のデモの人らしき「裏金作る!政治家いらない!」ってリズミカルな声が聞こえてきて、あんまこういうこと言うべきじゃないんだろうけど、率直に、やだなぁと思ってしまった。


 半年くらい前に、Twitterで繋がってた陰謀論信じてる大学の先輩が「なんでみんなこんなに政治に興味持たないんだろう。せめて自民にだけは投票しないでほしいです。悪いことされてるって自覚を持ってください。」みたいなことを(たぶんもっと過激な言葉で)言っていて、いやまぁすごく難しいところではあるんだけど、僕は「いや、そんなに毎日怒ってる人たちのところにはそりゃ近寄りたくないですよ……」と思ってしまったんだよな。


 難しいところではあるんだけどね!?  でもこう、積極的に政治の話をしてる人っていつも怒ってるから、構造的にはそこが原因になってる(みんな、なんかずっと怒ってる人のところには近寄りたくない)んだと思いますよ……、となったのだった。


 政治への怒りやデモって、もちろん伝わりやすい手段を選ぼうとしてるだけではあるんだろうけど、どうしてもいじめみたいな雰囲気を感じ取ってしまう(ことがある)。大勢の人が集まってリズミカルに暴言言ったりとか、そういうのを見ると連想してしまう。ほかにも暴言ハッシュタグをトレンドに載せようとしたりとか、こと政治において、一般市民の立場から反撃を構築するときのロジックには、ネットリンチやいじめと同じものが使われてしまっていることが多いような気がして、いや難しい問題ではあるんだけど……、でも「政治の話」ってなると否応なしにちょっと体がビクついてしまう弱い人間の魂の自由って、保証されることはないのかな?  とか思ってしまうんだよな。僕がどうとかではなく、構造についての一般論として。


 参政は必要な権利であるとはいえ、「なんかずっと色んな人が怒ってる場」に近づきたくなくなるのは当然の反応だと思うし……、そこで当の「なんかずっと怒ってる人たち」に「なんでみんな政治に参加しないの!!!!!」ってバチギレられると、みんなさらに近寄りたくなくなっちゃうと思うんだよな。正直僕はそうです。ちっちぇー人間だから。


 でもその「なんかずっと怒ってる人たち」は、むしろ「怒ること」を周りに推奨している感じがあるというか……「こんなことされてるんですよ!嫌でしょう!じゃあちゃんと政治のこと知ってください!」という手段をとっているところがある。方法論として完全に間違ってはないのだろうけれど、それだけだとたぶんよくないんじゃないかな、と思う。なんかこういう構造で萎えちゃってること、たくさんあるよ。政治の話じゃなくても、反イーロンの話とか、反AIの話とかさぁ〜〜。あなたの活動に協力する人が少ないのはもっと単純な話で、なんか怒ってる大人の近くには近寄りたくないんです!!! 


 と、うーん。これだけが真理じゃないとは承知しているし、時には怒ることも大事だとわかってはいるけど、「なんか怒ってる大人が怖くてその場から動けない人」たちが完全に怠惰な悪者にされる社会はいやだなぁ、と思ってしまうのだった。ネトウヨや陰謀論者がいなかったら、若者でももっとカジュアルに政治に参加できる空気ができていただろうことは、もうほとんど確実なんじゃないかと思うし……(下手に勉強すると陰謀論に引っかかるかもしれないから政治の話したくないって人、結構いると思いますよ)。そういう人の悔しさって今後一切回収されなくて、目を向けられることもないのかな?  と思うと、わりとちゃんと空しいんですよね。難しい問題だけどね!


 と、なんかさらっと話しちゃったけど、これって、わりと僕の中核に近い話かもしれない……。というのも、思い返せばXをやめた原因自体、こういう構造に対する反感だった気がするなー、となったのだ。いま。う〜ん、政治にしろクリエイター業界にしろAI問題にしろ、「大人数でめっちゃ怒ればそれが正義になるし、怒らないことは怠慢」みたいな場になってきちゃってるよなぁ、と当時の自分は思っていた。トレンドが、暴力と威圧で他人から賛同を得る気持ちよさに浸かっている気がした。


 そういう状態への反感は、もっと小さい頃からずっとあった気がするし……、わりとそこが、書いているもののテーマ選びにかかわっているような気もしますね。「怒るか怒らないかはこっちの自由だろ」っていう。正しい正しくないはいったん置いて、そういう自由の領域をどうしても侵犯されたくない気持ちがあって、そこが守られる社会でさえあればいいなーと思っています。Xはオタクのやってる創作物の話題に関しても「怒りなさい」ムードが強くなっている気がしたので、やめたのだった。そこです。はじめてちゃんと言語化できましたが。


 何度もXやめた話しちゃってるのはなんか申し訳ないけれども、でもこの辺の問題意識って自分の中で本当に強いんだよな。どげんかせんといかんぜと思っている。そういう作品書けたらいいなぁっていうか、ちょうど考えているところなので、これからそういう作品を書きます。


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 ……自分がこんなに長ったらしく愚痴を書いてるとは思わなかった……。