『THEビッグオー』のdアニメストアでの配信が終了してしまうので、これよ機会と思い(そんな言葉はない)、数日かけて全26話を視聴した。
第2クールからはかなり難解な作風で、正直、まとまった感想を書けるほど理解できているわけでもない……。が、すごくよかった。久しぶりに、何かを見たあと、何らか自分の作品を書きたいと思った気がする。普段色々言ってますけど、やっぱり、自分が生まれる前の作品というのは、よいですね。当時限りなく「いま」の作品として描かれた本作に対しては、あまりに不釣り合いな褒め方かもしれないけれど。
カッコいいロボットのアニメとしてはもちろん、エヴァの三年後に出たアンチセカイ系の話としても、とても見応えのある作品だと思う。よく「自分の身の周りだけにこだわらないで、外の広い世界を見なさい」みたいな話が「セカイ系のアンチテーゼ」と言われるけれど、それはあくまでテーマ的な問題だ。真に構造的に「アンチセカイ系」と呼べるのは、このような話なんじゃないかと思った。
それにしても、あまりにもエヴァの直後に出ているうえ、明らかにエヴァを意識しているであろう作品は、かえって「セカイ系」の歴史には数えられにくいものなのかな。よく言われる『lain』よりも、ずっとセカイ系のエッセンスを含んでいると感じたけれど。
さっき変な書き方こそしたけれど、テーマ自体は、『SSSS.GRIDMAN』や『ブルーアーカイブ』に通ずるような、驚くほど現代的なものだった。ポストエヴァやゼロ年代の文化を現代で再演しようとする作品の悩み方が、80年代のスーパーロボット作品にインスパイアされた90年代の作品の悩み方と重なるというのは、おもしろい構造ですね。
小中千昭さんの作品が好きで、徐々に未視聴のものをなくしていくぞ……と考えている。と言っても半分は『ウルトラマンティガ』が好きなだけなんだけど。幼少期の自分が最も影響を受けたコンテンツは『カービィ』シリーズなんですが、脚本という側面から見ると、やっぱり『ティガ』の名前が最初にあがる。
小中さんは、最近だとにゃるらさんが敬愛する作家としても有名になりつつある。僕は小中脚本の、途中はものすごく難解な雰囲気で味をつけつつ、最後には人に見せるエンタメ作品として完成させていく作風がとても好き……。詩的な示唆の奥にはっきりとした真実があるっていうストーリーは、読みがいがある。すごくおもしろいです。
夜は通話しながら初代ロックマンをクリアした。
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